Morning moon
お母さんはともかく、人間のお父さんには過酷な試練だったようで、魂が抜けたようになってしまった。

「ちょ、ちょっとお父さん!しっかりして下さい!」

お母さんに肩をたたかれなんとか正気に戻った。

そんな目の前の二人を見て、今日のところはこれくらいにしておかないといけないと奏美は思った。

先輩に目配せすると、すでにわかったという顔で

「突然お邪魔して申し訳ありませんでした。僕らは王妃の条件をクリアするために、今以上に勉強します。

人間界での大学の勉強も疎かにするつもりはありません。
しかし魔法界のドクターとの掛け持ちは並大抵のことではないのです。

ですから結婚を前提にと申しましたが、正直いつになるのか、見当もつきません。
でも必ず奏美さんを幸せにします。」

先輩は深々と頭を下げた。
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