Morning moon
「でも…ロランは何も言ってくれないの。」

二人はティーカップを置いてしまった。

「それにね、王子様よ。サラン王子、髪の色こそロランと違うけど、顔はそっくりだわ。あの二人って本当は兄弟なんじゃないの?」

全てお見通しだった。

奏美は認めてしまいたい衝動に駆られた。

その時、ドアが開いてロランが帰ってきた。

「ただいまミリー。」

今の話を聞かれてしまったかとミリーが少し焦っている。

「あ、おかえりなさい。早かったのね。」

「ああ、今日の仕事は終わったよ。」

「あの…それじゃ私帰るね。」

奏美はおずおずと椅子から立ち上がった。

「待って。僕が全部話すから、奏美も聞いて行って。」
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