Morning moon
やはりロランは二人の会話を聞いていた。

奏美が座りなおすと、ロランが語り始めた。

「ミリー、君の想像通りだよ、全て。

サランは僕の兄だ。

王室に男子は二人要らないからと、僕は公爵の所へ養子に出された。

でも王も王妃も、一番王室に近い貴族に預けた事で、僕と接触する機会を多く持ってくれた。ありがたかったよ。

おかで僕は、本当の父母とも離れているという実感がなかった。

その事は、一部の人間しか知らなかったけど、いつか話さなくてはと思ってんだ。

兄さんが結婚することになれば、王位を継いでくれはず、そうしたら僕は王家との繋がりを絶ち、君との家庭のことだけを考えればいいってずっと思ってた。

なのに…。」

「なのに、どうしたの?」

ミリーが続きを促した。

「兄さんが、王位継承を放棄するって言いだした…。」
< 416 / 458 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop