Morning moon
「いいのよ、ロラン。私ずっと前に気付いていたわ。あなたもそこで聞いてたでしょ?私と奏美の会話。」

「ああ…。」

ロランは気まずそうに頷いた。

「あの時は迂闊だったよ。王家の人間しか結界が破れないということまで君に話しておいたのに。」

「でもね、あの事がなくても私たぶん気がついていたと思うわ。私たちの出会いを思い出して頂戴。」

確かミリーとロランは幼いころに出会っている。

「私ね、あの時あなたの瞳に吸い込まれたの。小さかったけれど、絶対この人と結婚するんだって思ったわ。

それから他のどんな男の人も目に入らなくなって、それって王子の目を見たからなんじゃないかって思ったの。

でもお城に王子様は一人。ロランが養子だって知ってたけど、謎は多かったし、でも、私にこの疑惑を決定づけたのは、アランよ。
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