Morning moon
「そう、これがその植物だよ。」

「本当?!」

切り株の上に置かれたそれは、少し冷え込む空気に晒されて、朝露のついた葉が月明かりでキラキラと光っている。

「残念ながら効果は、数時間というところだろう。でも結婚式なら十分じゃないか?」

「ありがとう先輩!」

奏美が抱きつくと

「もういい加減先輩はやめてくれよ、奏美。」

「ごめんなさい…サラン…。」

そう言われて奏美は恥ずかしそうに顔を埋めて名前を呼んだ。

「明日城に行こう。ロランとも話をしないといけないな。具体的な式の日取りやあいつの戴冠式の事も。」

「はい。」
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