Morning moon
「そう、遺伝子を少し操作してやって、二つのいいところだけを取り出して作り上げたんだよ。」

「それって魔法で出来ることですよね?」

「確かに魔法でやれば簡単な事だった。それはとっくに気がついていたんだけどね。
僕は自分の手で魔法に頼らずやりきりたかったんだ。
たぶん、王妃もそれを望んだのだろう。」

「それじゃいよいよ結婚式ですね。」

ロランは自分で言いながら その言葉の裏に含まれる、自分が王位を継ぐということの責任をひしひしと感じていた。

「これから城へ行ってくる。それで式の日取りを決めるよ。
それと同時に王位継承放棄の宣言と、ロランに王位継承権を譲渡する事を発表しなくてはいけない。
それについても段取りをきちんとしておかないとな。」

奏美は側で聞いていて、急に不安になった。

自分たちがやろうとしてることは、魔法界全体を揺るがす一大事。

結婚はいいとしても…

果たしてそう上手くいくのだろうか?
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