Morning moon
「いえ、彼女は自分で気づきました。ロランが僕の弟だということに。」

「まぁ…。」

しばしの沈黙の後、王が決断した。

「サランよ。お前の気持ちはわかった。奏美との結婚を認め、王位継承の放棄も認めよう。
後はロランとわしらも問題じゃ。もう下がってよい。」

「ありがとうございます。」

城を出て、森に戻ってきた。
奏美は、言葉を挟む事も出来ず、やり取りを聞いていた。

「後はロランに任せよう。僕らは式のことだけ考えればいい。」

「…はい…。」

「奏美?君が欲しい。今夜はこのまま一緒にいてくれるかい?」

奏美の返事を待たず、サランが魔法をかけ、泉のほとりに結界が張られた。

誰にも見つからないように。
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