Morning moon
王妃が膝を折り曲げアランと視線を合わせた。

「いらっしゃいアラン。」

「お招きありがとうございます。王妃様。」

アランは王妃に向かい、正式な挨拶をした。

「アランは良い子じゃの。もうそんな挨拶を覚えたのか。」

「はい。お母様が教えて下さいました。」

「ミリー、ありがとう。こんな立派な子を育ててくれて。」

王妃がミリーに視線を戻した。

「私ではなく、ロランが素晴らしいのです。妹たちの世話に追われ、私は余裕がありません。
正直アランに教えてあげたいことは山ほどあるのに…でもそんな私を見て、ロランがアランに色々な事を教えてくれています。」

「そんなことはないよ。ミリー君は素晴らしい母親だ。」

和やかな時間が流れる。

本当の親子。血脈がここにある。

魔法使い純血の血脈が。
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