Morning moon
アンと名乗った彼女は、偶然にも奏美と同じ年だった。

言葉を手に入れた途端、二人は魔法界での親友になった。

「おしゃべりはそのくらいにしろ。先生が来るぞ。」

右の席のおじさんこと、デイビスが忠告してきた。彼は者の気配を感じるのが得意だ。

「いつもありがと。」

アンは軽くウインクする。

デイビスはおじさんに見えるけれど、まだ25歳だ。

魔法界にあるクリーニング屋の息子で、純血のくせにずっと学校に行ってなかったという変わり者。

このまま浮浪するのかと思われていたのに、突然学校へ行くと言い出したらしい。
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