Morning moon
毎朝、おばあちゃんの部屋によるのは、このお茶が飲みたいから。

花の蜜を使って作ってあるこのお茶は、甘くて美味しいし、これを飲んでいくと不思議と元気が出る。

小さなサイドテーブルに置かれた奏美専用マグカップ。

パステルカラーでもなく、渋みのある抹茶でもなく、ビビッドカラーの派手な色でもない、キレイな緑。

おばあちゃんとは色違いのお揃いだ。

お茶は、すぐ飲めるよう適温になっている。

奏美はカップを持ち上げると一気に飲みほした。

「あー美味しかった!ありがとうおばあちゃん!じゃあ行ってきます!」

奏美は、また勢いよく部屋を飛び出し、玄関で靴をつっかけると、外へ飛び出して行った。

+++++++++

バス停は長蛇の列。いつもと様子が違うみたい。

(どうしたんだろう?)

ちょうど最後尾には、同じクラスの中津川剣(なかつがわ けん)がいた。




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