Morning moon
剣は、心の底から安心した様子でiPodを取り出し音楽を聴き始めた。

奏美がボケーっとしてると、目の前に何かが差し出された。

「お前も聴くか?!」

方耳のイヤホン―――

「あ…ありがとう。でもいいや、読みたい本があるし。」

奏美はカバンの中から文庫本を取りだして見せた。

「そうか。」

剣はそのまま素直にイヤホンを耳に戻した。

奏美は、少しだけ漏れ出してくる音に、曲名を想像しながら、本を開く。

奏美が取りだした本は、周りの人には単なる小説にしか見えないんだけど、本当は違う。
実は魔法学の本だ。






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