幾千の時を超えて
「大事なこと?」

『あのね、死ぬときに夢を見たの』

「それは、夢じゃなくて走馬灯って言うのよ」

『ううん、それじゃなくて。きっと未来のことなの。あのね……』

「ん?」



『――もうすぐあの人に出会うよ。沙耶ちゃんが探してるあの人に』



「!」

『もうすぐだから。それだけ伝えに来たの』

「沙智子……」

『だからね、私のこととか、この世界のこととか気にせずに幸せになって?
 神様の意志とか関係ないの。私は貴女に幸せになってほしくて生んだんだから。
 だからこれが私の最期のお願い。絶対2人で幸せになってね!』

―――― ぜったいだからね 





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