What's love?


美咲と出会ったのは、中学の入学式だった。

短い髪を無理矢理二つに縛ってる姿が可愛いと思った。

隣の席の子と話す笑顔が可愛いと思った。

「長い話ばっかりだったね、入学式」

式が終わって戻った教室で、初めて美咲に話掛けられて、
俺の心臓は、今までにないくらい、大きく動いた。

完璧、俺の一目惚れだった。

その後運良く席が隣になって、俺と美咲はよく話すようになった。

俺は美咲の笑顔を見たくて、必死で面白い話をして、

「大和、面白ーい」

美咲はそれに答えるように、俺に笑顔をくれた。

俺らの中学は、1学年1クラスしかない小さな学校だったから、
クラス替えなんてなくて、3年間ずっと一緒 だった美咲とは、随分仲良くなった。

俺の家にも来るようになって。

だから俺は、完全に舞い上がってたんだ。

3年間、告白する勇気すらなかったくせに、
俺にとって美咲がそうであるように、美咲にとって俺は特別なんだって、勘違いしていたんだ。

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