What's love?
今日、美咲が彼氏と別れた原因も俺だった。
帰り道、腹が減ったから寄ったファーストフード店の窓から、一人トボトボと歩く美咲の姿を見つけた。
彼氏とデートだと言っていたのにどうして?
気付いた時には、俺は傘を持つのも忘れて店を飛び出していた。
「あれ? 美咲じゃん。今日はデートだったんじゃねーの?」
偶然を装って、俺は美咲に声をかける。
「別れてきたー」
もうたいして驚かなくなった美咲の答え。
だけど、心の中でガッツポーズをしてしまった自分が情けなくて、それを美咲に悟られないように、
「またかよっ」
俺は大袈裟にため息をついてみせた。
「てか大和、あんた何で傘差してないの?」
「忘れてきたー」
俺が傘を持ってないことに気付いた美咲に、まさか美咲を追いかけるのに必死だったとは言えず、おどけた口調でファーストフード店を指差す。
すると、今度は美咲がため息をついた。
「取りに行こ」
頭の上に美咲の傘が伸びてくる。
相合い傘だよな、これ。
なんて、美咲を前にすると、ちょっとしたことで、俺の胸は騒ぎだす。