What's love?
「ちょっとは片付けたら?」
「いいよ、そのまんまで。あんまり片付いてると、あいつらうるせんだ。彼女できたのかって」
部屋を片付けようとする美咲を、俺は適当な理由をつけて止めた。
美咲への少しばかりの反抗心で、散らかったままの部屋。
だけど、それを美咲に触られるのは嫌だった。
俺の汚れた部屋が、心が、美咲までも汚してしまいそうで、嫌だった。
「ふーん」
美咲は、大して気にする様子もなく、拾ったマニキュアを置いて、代わりに本棚からマンガを一冊抜き取った。
美咲は、こんな部屋に俺と二人きりでいることを、どう思っているのだろう。
本当に何とも思ってないのだろうか。
これが何度も彼氏と別れる原因になっているとしても、美咲が変わらずにここへ来る理由は何?
「別れたのって、また俺が原因?」
押さえ切れない想いは、少しずつ俺の内側から溢れだす。
「んー、かもね」
「美咲はいいの? いつも俺のせいで別れることになって」
いい加減とも言える美咲の返事に、俺の口調は少し強まる。