What's love?
どれくらい経ったのだろう。
周りから聴こえる話し声で、あたしは現実に引き戻された。
誰もいなかった屋上には、いつの間にか、楽しそうにお弁当を広げる生徒の姿があった。
あのまま、寝てしまっていたようだった。
あたしは慌てて起き上がると、制服の汚れを払って、スカートの裾を引っ張る。
「先生、気分が悪いので早退させて下さい」
とてもこれから授業を受ける気分にはなれず、あたしの向かった先は保健室。
「あら、本当に具合が悪そうね」
保健の先生が、心配そうにあたしの顔を覗き込む。
昨夜の涙で、まだ少し腫れている目と、寝起きということも合わさって、あたしは酷い顔をしていたらしかった。
すんなりと早退の許可を貰ったあたしは、早々と家へ帰ることにした。
教室に荷物を取りに戻った時、佳奈が何か話しかけてきたけど、気づかないふりをして、あたしは教室を後にした。