What's love?
「別れてきたー」
「またかよっ」
大和は呆れたようにため息をついた。
「てか大和、あんた何で傘差してないの?」
「忘れてきたー」
あたしの口調を真似て、大和は通りの向こうのファーストフード店を指差した。
普通お店出て雨降ってる時点で傘の存在に気づくでしょーに。
そっちのが呆れるつーの。
「取りに行こ」
今度はあたしがため息をついて、大和の頭の上に傘を伸ばした。
「大和、また身長伸びた?」
「そうか?わかんね」
大和は、興味がないといった風にそう答えると、あたしの手から傘を奪って、あたしの方に寄せた。
「絶対伸びたよっ」
あたしは自信満々に言う。
だって、大和のことは何でも分かるもん。
中学の時から高2の今まで、ずっと一緒にいる大切な友達だから。
「大和、シャワー貸してー」
「おー」
大和の傘を取りに行ったのと同時くらいに、雨足が急に強まって、あたしはとりあえず大和の家に避難した。
あたしは、まるで自分の家のようにお風呂場へ直行すると、シャワーを浴びる。
雨で濡れた制服に変わって、大和が用意してくれたダボダボのスエットを着ると、あたしは大和の部屋へ行く。