What's love?
昼間の公園で、制服姿の男が、一人で思い切りブランコを漕いでる姿は、何だか可笑しかった。
「よお」
あたしに気付いた悟は、ブランコから飛び降りると、脇に置いてあった紙袋を手に取り、あたしに差し出した。
「何、これ」
「忘れもん」
紙袋を受け取り、中を覗く。
「あ、これ」
「見るたびに、美咲のこと思い出しそうだからさ、持ってって」
袋の中には、悟とゲームセンターに行ったときに取った、くまの縫いぐるみが入っていた。
あたしが欲しいって言ったのを、悟が何度も何度も失敗しながら、やっと取ってくれたんだった。
悟は、いつもあたしのわがままを聞いてくれて、なのに、あたしは悟のたったひとつのわがままも聞いてあげられなかった。
だから、バチが当たったのかな。
「みーさーき」
「痛っ」
泣き出しそうになったあたしの頬を、悟がつねる。
「泣きたいのは、俺のほうなんだからなー」
「ごめんなさい」
「大和、今日学校来てたよ。お前、好きなんだろ? 大和のこと」