What's love?
「用がなきゃ、来ちゃいけないの?」
「用がなきゃ、来る必要ないだろ」
「美咲は来てるじゃんっ」
「は? 何で美咲が出てくるんだよ。関係ないだろ。帰れっつってんの」
尚も食い下がる佳奈に、俺は声を荒げる。
「大和に会いたかったから来たのっ! それじゃダメ?」
「そういうの、面倒だって言ったの、お前だろ?」
俺がため息をつくと、美咲の表情が曇っていった。
「仕方ないじゃない。めんどくさくたって、会いたかったんだもん」
「もういいよ。帰れ」
「何でっ? 何でよ、大和っ」
もう家の中へ入ろうと、佳奈に背中を向けると、背後で佳奈が叫んだ。
「何だよ、何むきになってんだよ」
「むきになってるのは大和でしょ? なにむきになって、面倒だから彼女いらないみたいなこと、いっつも言って……」
「おい、佳奈、どうした? お前、今日おかしいぞ」
いつものおっとりした口調とは反対に、涙を溜めながら早口で喋り続ける佳奈。
俺が佳奈の肩をつかむと、そのまま佳奈は座り込んでしまった。
「おかしくなんかないよ」
「えっ?」
小さく呟いた佳奈の言葉を、俺は聞き返す。
「おかしくなんかない。わたしは、ずっと大和のことが好きなの」