What's love?
美咲に友達と言われるのが嫌だった俺。
だけど、その言葉に頼っていたのは、俺の方だったのかもしれない。
佳奈の言葉に、一晩考え抜いた俺は、次の日、学校にも行かず、携帯に入っている女の番号に、片っ端から電話を掛けた。
そして、昼近くになって、最後に掛けたのは、佳奈の番号。
「……大和?」
「おう、俺」
「今日はどうしたのー? サボり?」
電話の佳奈の声は、いつも通りで、俺は少しホッとした。
「俺さ、やめるよ」
「やめるって、何をよ」
「だから、その……本当に好きじゃない子は、簡単に部屋にあげないっつーか……」
「はいはい。もう美咲以外とはエッチしないってことね」
言葉を選んでいた俺に構わず、佳奈は短刀直入に言った。
「なっ……、美咲とはまだしてねーし」
「そんなこと聞いてないよ、バーカ」
電話の向こうで、佳奈は、ふふっと笑った。
「ごめん。だから佳奈とも、もう……」
「わたしさー、今日美咲に意地悪しちゃった」
「えっ?」
「だって、わたしの気が収まらなかったんだもん。今まで散々友達だって言ってたくせに、美咲だけ特別なんてムカつくし」
言葉とは裏腹に、佳奈の声は寂しそうだった。