What's love?
「大和。どうしたの? 泣いてるの? ほっぺ、痛いの?」
美咲が心配そうに俺を見る。
泣き顔を見られたくなくて、うつ向いて黙っていると、美咲は俺の隣にしゃがみ込んだ。
膝を抱えて、美咲もそのまま黙ってしまった。
今伝えなくて、いつ伝える?
沈黙の中、自分自身に問いかけて、そして口を開いた。
「なあ、美咲」
「……ん?」
「この前は、その……ごめん」
「うん」
「俺さ、美咲と友達でいれば、美咲はずっと俺の傍にいてくれるって思ってた。だから、ずっと自分の気持ちに嘘ついてた。で、最低な男になってた」
「大和は最低なんかじゃないよ」
美咲が首を横に振る。
「最低だよ。自分が傷つくのが恐くて、誰とも真剣に向き合ってなかった。けどさ、それって、色んな人をちょっとずつ傷つけてくんだなって、やっと分かったよ」
黙ったまま、俺を見つめる美咲。
愛しい人は、いつもこんなに近くにいたのに、
ずっと言えなかった言葉を、俺はやっと口にした。
「美咲。俺は、美咲が好きだ」