What's love?
「あーもうっ!早く梅雨明けろー!!」
突然大和が、フェンス越しの空に向かって叫んだ。
「ちょっと大和。何してんの?」
驚いて大和の元へ駆け寄る。
大和は振り返り、ニッといたずらに笑うと、またフェンスの方を向いて、大きく息を吸った。
「橘大和っ! もう美咲以外の女には、手を出しませんっ! もう美咲のことを泣かしませんっ! だから美咲を好きでいさせて下さいっ!!」
「ちょっと、何やってんのよっ! 学校中に聞こえるでしょっ」
慌てて大和の腕を引っ張って睨み付ける。
「俺の気持ち」
だけど、そう言って満足そうに笑う大和をみたら、あたしもつられて笑ってしまった。
「じゃあ、今度はあたしの番」
「えっ?」
「あたしも大和が好きーっ!」
「美咲? えっ? えぇーっ!?」
あたしの告白に、目を真ん丸くして固まってしまった大和。
「あたしの気持ち」
今度はあたしがそう言うと、大和の顔が、驚きから笑顔に変わった。