私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―


自分から失踪する理由は今は見つかってない。


だが部屋に置き手紙があったことから自分達で失踪した可能性も捨て切れない。



どうしようもなくなった同窓会幹事蛎崎 美鶴は親戚の結婚式のために東京にでたついでに神野にこのことを相談したわけだ。




「…また面倒臭いトラブル拾ってきたな。」


「ごめんなさい…」


「卵焼き。」


「作ります。」




うむ。仕方ない。



やるか。



俺は溜め息をつく。


その瞬間、




「伶!いるか!」




どどーん!




と言わんばかりの勢いで、言わずもがな、皆川さんが部屋に入って来た。


…おいおい嘘だろ。



俺は余りの事に冷や汗が出て来た。


止めてくれ。


皆川さんが事件抜きで俺の部屋まで来るなんて有り得ない。



と言う事は…




「伶…?ごめんね?」




コノヤロウ。



俺は涙目の竜がひょこっと入口から顔を出して来た時、そう神様を罵った。










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