私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―



「…つまりは安岡が自分を騙した相手を証言して、その人物をつき止めたはいいがすでにもぬけの殻、かの人物は失踪していたと?」




やめてくれ。


また失踪か。



だが不審な点がいくつかないこともない。




「皆川さん、彼の身元は?」


「とっくに洗ってあるよ。なにも不審な所はなかった。近所の話じゃ仕事もしてなかったらしい。まぁする必要もないわな。」




なるほど。


それなら、俺の仮説は正解かもしれない。




「恐らく、その人物は今頃どこかの山に埋められてますよ。身元は洗ったんですよね?なら、その人物の交遊関係を調べてください。まだ掴まっていない仲間がいるはずですよ。」




安岡は自分がクスリを売っていたのは、ある人物に騙されてどうしようもなくなったからだと言っていた。


その人物のバックには組織がついていて、従わないと恋人に危害を加えると言われていたらしい。


…まぁその『恋人』が第1の被害者である西尾 早苗だったことには驚いたが。



で、その安岡を騙した人物はコロコロと代わり、今安岡を管理していた人物は若い男ときている。


恐らく後腐れない人物を選び、危なくなったら捨てるを繰り返していたんだろう。


更に、大体こういう仕事を生業(ナリワイ)とするやつらは横に繋がっている事が多い。



友達がやってるから自分もやってみようとかいう感じでやってしまうんだろうが。









< 12 / 90 >

この作品をシェア

pagetop