私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―



ガラガラとスーツケースのキャスターが転がる音が駅構内に響き渡る。


ゴールデンウィーク初日とはいえ、里帰りもへったくれもそもそもの住人の数が少ないこの町には関係ないようだ。



駅にいるのは私と伶、それから、数人のサラリーマンとか夫婦とかカップルとかだ。




「祖父母の家はすぐそこだよ。伶、本当に泊まるの?」


「ああ。中途半端な三流ホテルに泊まるよりはいいからな。」




…左様ですかお坊ちゃま。


どんだけ一流思考なんですか。



私と伶は閑散とした駅を出て、真っ直ぐな道を歩く。


しばらくして見えて来た。


祖父母の家。


私の実家である木造2階建て。


ちなみにトレードマークはまさかの赤い屋根だ。


私は物珍しげに畑を眺める伶がちょっと恥かしくて、(だって物凄い勢いでそのキレイな顔のおかげで注目浴びているし。)少し離れて歩こうとした。




だが…







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