私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―

§1 お人好し娘、再び

<side 深青>




この金持ちばかり集めたエリート大学には、とんでもない男がいます。


見た目はそこらのアイドルよりいいですが。


甘く見てはいけません。



「おや、あなたではない?ふざけないでくださいねネズミさん。」




決して彼は甘くありませんから。


とくに口が。




「知らないと言ったら知らないんだよ!」




しかも怒らすとね、すんごい怖いんだから。




「なるほど、しらを切るつもりですか…この方法は使いたくなかったのですが、仕方ありませんね。神野?」




はいはいやりますとも探偵さん。


私は男に見せつけるようにノートパソコンをちらつかせる。



そして、理事長子息、日本屈指の八雲財閥跡取りの私立皇奏大学経済学部2年次、八雲 伶は極上の笑みを男にむけた。




「このパソコンは大学のメインサーバーに入れるパソコンです。そして神野はアクセス履歴をたどることできる。あなたは痕跡をごまかしたつもりだろうけど、神野ならたどれる。さぁ、どうします?」








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