私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
<side 伶>



情報収集のしかたをまちがったか。



俺は今になって後悔していた。



神野から聞いた話しによると、被害者である佐野 和人には高校前から問題があったようだ。


神野のお人好しにあてられていたに間違いない。


俺は佐野 和人のアパートの部屋を観察しながらそう考えていた。


アパートの鍵は何故か神野が持っていた。


本人曰く、卒業式の日に渡されたらしい。



必要になる時が、来るかもしれないから、と。



その言葉を疑いもせずにそのままアパートの部屋のスペアキーを受け取って大事に保管していた神野の危機管理能力はいったいどうなっているんだろう。




「ちょっと片付けてしまってあるけど、捨てたものは紙切れ一つもないって。部屋のレイアウトは変えてないらしいけど…友達が言ってた。」




なるほど。


なら、取りあえず、家捜しでもするか。



片付けてあるなら尚更、違和感なんて感じないのだから。







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