私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
「本人は軽く言ってるが実際にはかなりの臨床と体験、知識が必要なんだ。これだけは佐藤さんにしかできない。」
唖然とする私に伶はそうつけたした。
ちなみに、私は那智ちゃんの話に驚いているわけじゃない。
そんな、死体を見つけられる那智ちゃんがここにいるってことは。
「和人は…もう死んでるってこと?」
「可能性の話だ。実際は調べてみないとわからない。だから佐藤さんを呼んだんだ。」
伶は私から目をそらしてそう言った。
その時、
ヴー、ヴー、ヴー…
伶のケータイのバイブがなった。
「もしもし。竜か。」
電話の相手は美空刑事らしい。
伶はそのまま話し込んでいる。
そのスキに、那智ちゃんは私に話しかけて来た。
「深青ちゃん、ひょっとして、高校時代楽しくなかった?」
「へ…?」
那智ちゃんは伶に聞こえないような小さな声で、そう言ってきた。