私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―

§3 理由

<side 伶>



『朗報だ。薬をうっていた男が頻繁に出入りしている所が割れた。』




皆川さんは俺がケータイに出たとたんそう言った。


全く、マナーがなってない。




「そうですか。それはご苦労様ですね。よく出来ました。」


『貴様…バカにしてるな…?』




やっと気付いたか。なんてことは言わずにスルーして、要点を聞き出す。



「で、皆川さん、彼はいったいどこに出入りしてたんですか?」




電話の向こうの皆川さんは少し押し黙ってからいつもより声のトーンを低くして言った。




『スカイトラストっつー会社だ。』


「…ひょっとして、輸入業者ですか。」


『ちっ、言うなよ。苦労したんだからさぁ。そう。スカイトラストは輸入業者だ。扱ってるもんはまぁ多種多様だな。』


「爬虫類の輸入は?」


『爬虫類?』


「皆川さんみたいに脳みそが少々たりない部類の生き物ですよ。」




あ、これだと爬虫類に失礼か。







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