私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
Fail02 そして事件はつながる
いったいこれはどういうことなんだろう。
オレはついさっきまでオレの事情に彼女を巻き込んだんだと思っていた。
だが、違うのか?
『許しません。和人さん、私の言うことに間違いはありませんよ。』
高校のとき、母に言われた言葉がよみがえる。
深青を手放すハメになったあの言葉。
「…大丈夫か?」
男性が女性に聞いた。
女性が優しく返す。
「ええ。私は大丈夫。大丈夫よ…」
オレはこの人達を知らない。
なら、今回はあの人じゃない?
なら、だれが。
深青。会いたい。
不謹慎かもしれないが、オレは隣りにいる彼女のことをそっちのけで深青のことを考えていた。