私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
静かな部屋に響き渡るバイブの音。
―私のケータイのものだ。
ジーンズのポケットから伝わる振動から私はそう判断してケータイを取り出すと、着信の画面が出ていた。
珍しい。画面にでていたのは高校時代の友達だ。
早速通話ボタンを押して電話に出た。
「もしもし?美鶴(ミツル)ちゃん?」
『あ…深青?』
「どうしたの?久し振りー。元気だった?」
『うん。あのね、深青最近学校辞めたの…』
「え?辞めてないよ?」
『でも、寮引き払ってたじゃん。』
「あ、そうか。私今知り合いの家に居候させてもらってるんだ。」
そういえば皆に連絡するの忘れてた。兄さんには(どうやってか)伶が伝えたって言ってたけど。
『あ、そうなんだ良かった。このまえ寄ってみたら引っ越ししたって言われて…』
それはたぶん麻衣だ。
麻衣は私が伶の屋敷で世話になっていることを知ってる。
というかたぶん皇奏大学に通ってる生徒は(何故か)知ってる。
見知らぬ生徒に羨ましげな眼差しをよく向けられるが、恐怖すら覚える。