私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―



「まぁまぁ深青ちゃん。キレイな男の子連れて来たじゃない。結子さん邦果が連れて帰っちゃったから、寂しかったのよ。」




神野の祖母はにっこり笑いながら間延びした声でそう言った。



森さんは夫に迎えに来てもらえたらしい。


グッジョブ神野 邦果。



「すいません、お世話になります。これ、つまらないものですが…」




俺は好青年スマイルを貼り付けて爽やかに菓子折を取り出す。



神野がそれを見てどこにあったの!?って顔をしたがそんなのは華麗にスルーだ。



神野の祖母は「そんなのいいのに…しっかりした子だねぇ…」とちょっと困惑しながらも受け取り、家に上がるようにすすめた。



神野家は普通の古い民家といったところか。


狭すぎず、広すぎない。


通された応接間(?)らしき部屋に入ると、ソファに1人の老人が滑稽なくらいガッチガチに固まって座っていた。






< 51 / 90 >

この作品をシェア

pagetop