私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―



俺はとりあえず長年の努力の賜物である笑顔を振りまきながら老男性にあいさつをする。




「こんばんは。今日はお世話になります。八雲 伶といいます。」




すると、男性はビクッと跳ねてこっちを見た。



男性の顔は神野 邦果に似ていた。


童顔気味だが、雰囲気は年齢に見合ったもの。



男性が口を開く。




「八雲…伶…?」


「ええ。そうです。」


「なんの用事でここにきた。」




鋭く、彼が聞いて来た。

俺は真意をはかろうと彼の表情を読む。




「お茶入ったよ。っておじいちゃん!?なんでここにいるの?」




間延びした声が聞こえたかと思うと、ふっと男性の表情が変わった。


鋭く、推し量るような無表情からその童顔を最大限にいかした笑顔へとかえる。




「深青、おかえり。よく帰って来たな。」




…どうやら、神野家の人間は一癖も二癖もありそうな粒揃いらしい。





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