私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
<side 深青>




祖父が伶を怪しんでいる。



夕食をとっているときにそう感じた。



祖父はもとから他人には一定の距離をおく人だった。



それがなぜなのかはわからない。



ただ、そんな祖父のかわりに、お人好し(私も人のことは言えないけど)の祖母がうまく仲介に入っている。




「君の祖父、何の仕事をされてたんだ?」




伶の止まる部屋に布団を敷いていた時、そうたずねてきた。




「おじいちゃん?うーんと…あ、市役所の職員だよ。」




たしか、いつか聞いた時そう答えられた気がする。



伶はそうか、と言っただけで後は何も言わない。


急にまた距離をとられてしまった。



夕方のあのやり取りで私は伶を拒絶してしまったから、当然といえば当然。



少し寂しいけど、伶のためでもある。



私がそう考えていると、伶はふいに難しい顔をしながら話しかけてきた。

ちなみに、伶は今窓枠に寄り掛かって何かの資料をパラパラめくっている。




「君、佐野 和人の家のこと、知ってたのか?」






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