私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
§3 執着
「いつまで寝てるんだ早く起きろっ!」
「ふぎっ!」
べシンとかいう音とともに頭をはたかれた。
…変な声を出してしまったかもしれない。
目の前には気まぐれ嫌味男が。
ああ、なんて悪い目覚め。
「悪かったな。だが朝食を食べ損ねたいんならそうやってじっとしてるんだな。」
「はっ、おばーちゃんの朝ご飯…」
自慢じゃないがおばあちゃんの朝ご飯は絶品だ。
このまま寝るか…朝ご飯…
しばらくじっとかんがえて私は無言でベッドから降りた。
腹が減っては戦はできぬ、だ。
「大した戦はしないだろう。君は。」
ああ神様、やっぱり私、この人についていけそうもありません。
人の心を読むんです。この人。
「何度も言うが君は思ってる事が口にでたり顔に出たりしている。俺が心をよんでるわけじゃないからな。」
そーでしたね。
私はあからさまにブスっとしてリビングにむかった。