私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
昔ながらなちゃぶ台上に理想と言うべき朝ご飯。
伶は卵焼きに感動してしまったらしく固まってしまった。
どうだ。これが神野流卵焼き、元祖の味なんだから!
そりゃ伶の家のシェフのつくる料理も絶品だけど!
「深青ちゃん、本当に今日戻っちゃうの?まだ時間はあるんじゃない?」
「そうだぞ深青。ゆっくりしていけ。」
「たまってる宿題とか片付けたいの。ごめんね。」
私と伶は今日の夕方にここを出る。
それまでに調べられるところは調べないと。
せっかく帰って来たがあまり家にはいられない。
それが少し残念だ。
だけどそうは言ってられないのも事実。
「そう。仕方ないねぇ…邦果も仕事が仕事だからそうそう帰って来ないし…」
兄さんより曾孫が見たいだけなんでしょ。と軽口を言いながらおかずをつつく。
チラッと伶を見ると、彼は少し寂しげな顔をして私達を見ていた。
朝食中、ずっとその顔が離れなかった。