私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
俺はいつになく嫌な予感がしていた。
いつぞやの、神野が持ち込んだトラブルからもう1ヶ月以上。
なんで俺はこんなにバカみたいに関わっているんだろう。
そもそも、そう、どうして神野のまわりからこんなにもトラブるが出てくるのか。
前回は、偶然ともいえる。
しかし今回は。
明らかに神野が台風の目だ。
巧妙に仕込まれた替え玉。
そもそもそんなものなくてもいい。
むしろないほうが完全犯罪は成立する。
なぜ、何のために。
答えは実にシンプルだ。
おそらく、この事件は黒幕が存在する。
そいつは、神野に執着していて、同時に、
俺にケンカを売っている。
俺が神野に付いているのをわかっていて、チョッカイ、わかけてきている。
そうじゃなきゃ、ここまではしないだろう。
阿呆か。
この俺に、喧嘩を売るとかさ。
いいだろう。
その気にさせた、君たちが悪い。
売られたケンカは、倍額で買ってやるのが礼儀ってもんだからな。
そんな決意を帰りの車の中でしながら、いつのまにか、俺も意識を落としていった。