私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
ふと目が覚めた時にはもうすぐ家につく頃だった。
神野はもう面倒臭いから俺が運ぼう。荷物は使用人にまかせればいい。
あぁ、でも神野は自分の荷物は自分で片付けるって言い張るにちがいない。なら、スーツケースだけ部屋に運ばせとくか。
ぐるぐると寝起きの頭で考えながらその通りに使用人たちに指示していった。
「神野の荷物は彼女の部屋に入れるだけでいい。俺のはテキトーに服だけ出して洗濯しといてくれ。あと、これは俺が部屋まで運ぶ。」
使用人たちは黙って頷く。
俺は神野を起こさないように背負おうとしたがよく見たら彼女はスカートで、
背負うのは辞めたほうがよさそうだ。
仕方ない。
俗に言うお姫様抱っこで行くしかない。
そうして神野を抱き上げた時、少し強くゆすってしまったようだ。
神野が少し身じろぎした。