私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
やばい、起こしたか?
そう思ったが瞼は閉じられたまま。
化粧っ気の少ない顔は幸せそうに…とはいかないが、普通に眠っていた。
「かず…と…?」
前言撤回。
幸せそうな寝言をのたまった。
“和人”
俺は困惑していた使用人たちを素通りして、神野の部屋に神野を届け、自室に戻る。
「バカか、俺は。」
何度も心の中で繰り返してきたことを口に出した。
口に出すと、余計に自分がバカに見えてきた。
まさか、嫉妬なんてすると思ってなかった。
近づきすぎた。
翌日中、朝から俺の期限が悪かったのは言うまでもない。