私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
Fail03 “恋人”
監禁されてどれくらいたっただろう。
俺は突然それまで閉じ込められてた部屋から連れ出された。
手は縛られ、目隠しをされていたから、外が夜なのか昼なのかはわからない。
抵抗すると千尋が危ない。
殺されるのなら、それでいいのかもしれない。
俺みたいな阿呆は死んだほうがマシかもしれない。
俺は車らしきものに乗せられ、移動している最中にそう思っていた。
ガラッ
「降りなさい。」
俺たちを監視し、蛎崎を目の前で殺して見せた女がそう言ったが、実際は放り出された。
過ぎ去る車のエンジン音。
何時の間にか外されていた手の拘束。
俺は目隠しを自分で取った。
そしてーー………