私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
ふと、自分が家賃ただで間借りしている豪華な屋敷の方向を見る。
門が見えているが、今日も豪華だ。当たり前だが。
その豪華な門の前に、ワゴン車。しかも真っ黒。うん、いつもの光景だ。
いつもの。
「ってんなわけないか。なんでワゴン車…?」
長年住んでいたわけではないが、感覚的にわかる。伶が門前にワゴン車なんか止めさせるわけがない。
駆け寄って、何事かと確かめようと思って近づこうとした瞬間。
ドシャッ!
という派手な音が聞こえて、すぐにワゴン車は走り去った。
チラッと見えた運転席には、男が乗っていたような気がする。
だが、私はさらに妙なものが地面に転がっている事に気が付いた。