私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
和人だ。間違いなく。
高校の時と同じ。
肌は白くて少し細身。顔立ちも髪色も、別れたあの日のまま。
私は信じられなくて、和人の顔を覗き込んだ。
和人は和人で茫然と私を見つめ返してきた。
「み…お…?」
声も、同じ。
あの、別れた日のまま。
「和人、なんで…」
私はとにかく状況を把握しようと和人に尋ねた。
だけど和人は首を横に振って、『わからない』とだけ答えた。
とにかく、伶に。
そう思った私は和人を支えながら八雲邸のインターホンに向かった。