私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
「なるほど、それはまた奇妙ですね。と、いうことは蠣崎 美鶴を殺害したのは入れ替わりを演じていた蠣崎 美鶴とは別人、ということですか。」
なるほど、わざわざ俺の部屋にきたのはそういうことか。しかし、違う管轄の検死結果をよくも知っていたものだ。
言うまでもなく、手を回して調べたにちがいない。佐藤さんもなかなかのお人好しというかなんというか。
「それより、八雲、あんた機嫌悪すぎ。深青ちゃんが心配してるじゃない。」
唐突にふられた神野の話に、俺はまたムッとなる。
機嫌が悪い。確かにそうだ。
俺は佐野 和人が発見されてから期限が悪い。どうしようもなくイライラする。
原因なんて明白だ。
俺は佐野 和人が苦手なのだ。天敵と言っていいほどに。
おそらくそれは向こうも同じだろう。
俺が神野を外からこじ開けようとしてるのに、
あいつは、中から開けてしまった人間だ。