私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
私はデスクに備え付けの椅子に座り、和人はベッドに、伶はなぜかドアに寄りかかり立って話を聞いていた。
「でも、やっぱり本家の従兄弟が帰ってきた時のため、俺は本家の従兄弟よりも上の地位をもってはいけなかった。学歴はもちろん、他のこともね。それが、高校入った頃の話だ。」
「じゃあ、私と付き合ってた時は、もう珀仙だったの…?」
私は遠慮気味に聞いてみる。単なる好奇心からの質問だったが、和人は私を騙していたことに引け目を感じていたのか、苦笑いをしながらそうだと肯定した。
そこまで聞いて、伶が急に割り込んできた。
「前降りはいい。俺が知りたいのは今の話だ。人の過去に、俺は興味はない。」
冷たいこえでそう言い放つ。
まったく、昨日から悪かった機嫌はさらに悪くなっていた。
期限が悪くなるほど事件が難解なのか、それとも別の何かなのか、私にはさっぱりだ。
…いや、ちがう、わかっている。
知らないふりをしているのだ。
私はずるいから。