私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
「つまり」
と、伶の話を和人が引き継ぐ。
「犯人の狙いは、俺ではなく、千尋…?それで、お前を知っている人物ってことか?」
「その通り。正解だ。ただ補足させてもらうと、神野を知っている人物でもある。犯人の狙いは、神野を使って俺を挑発することだ。」
そんな、まさか。でも。
だとしたら、辻褄が合う。
私が伶を頼ることを見越して、私を利用した。でも、わざわざ和人や美鶴ちゃんまで引き出してくることを思えば、完全に私が関係ないとは言えない。
犯人の目的は、私と伶を事件の舞台に引きずり出すこと。
でも、誰が…?
「さて、そうなると話は相当腹の立つ展開になっているわけだ。」
混乱する私をよそに、伶は不機嫌そうに言った。
寄りかかっていた壁から身体をはなし、私の方へと歩いてくる。
ぽんっと私の頭の上に手をおくと、和人に向きあって、やっぱり不機嫌そうに言った。
「俺達は、奴らに遊ばれてるんだよ。」