私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
まぁいい。
ここでこのトラブルを引き受けなければこいつは必ず1人でなんとかしようとアホ行動をするに決まってる。
それはそれで物凄い不安だ。
結局、俺は神野に甘い。(自覚はあったがここまでとは思ってなかった。)
「要は、また君の友達の友達とその彼氏が失踪したわけだろ?」
「ち、違うもん!新井(アライ)さんは違うけど和人(カズト)は友達だもん!」
「その和人とやらは君の元彼かなにかだろ。」
「なっなななんで知って…」
バカかこいつ。
カマかけたらあっさり引っ掛かった。
しかしそうなるとこいつのお人好し度はいったいいくつなのかと疑いたくなる。
普通、元彼が失踪したことを元カノとかに言うか?
そしてその元彼と今カノを捜すってどうなんだよ。
ああもう、ストレスでハゲるぞ俺。
「まぁいい。分かった。とにかく、完全に自分から失踪したとは言えない今、探さない訳にはいかないからな。」
ホント、神野に俺は甘い。