ボディーガード
僕にとって腕時計がそうだ。

僕は恋人が変わるたび腕時計を変える。

もともとは、まだティーン・エイジャーになったばかりの頃に初めて交際した彼女から、バースデー・プレゼントに貰ったものを身に着けていたのが始まりだった。

それは僕が生まれて初めて手にした腕時計でもあった。

ミッキー・マウスをモチーフにしていて、右手で時間、左手で分を指し示し、一秒ごとにお尻をコミカルに振っていた。

僕はそれをとても大切にし、家の中でもなかなか外そうとはしなかった。


しかし彼女にフられると、僕はその腕時計を着けるのが苦痛に感じるようになった。

捨ててしまおうかとも考えたが、それもできず引き出しの中にそっとしまっておいた。

そして次に恋人ができると、僕は自分で腕時計を買った。そんなことをずっと繰り返していた。

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