ベストパートナー
会ってみなけりゃわからない・・・、会ってみなけりゃ何事も始まらない。タイプじゃなかったら、単なる飲み会だと思って美味しいもの食べて思いっきり楽しんでくればいいし、もしかしたら運命的な出逢いになるかもしれないし・・・。

お客さんへのお茶をいれ終え、給湯室をでる頃には気分が多少、ウキウキしてきた。会議室に向かう途中、合コンのお誘いを受けよう・・・と決意していた。

オフィスに戻ると、祐子がパソコンに入力作業していた。

席に戻り、社内用の伝言メモに合コンOKの返事を書いた。

―――大谷様―――

金曜日の件、OKです。

また詳細が決まったら教えて下さいね。

楽しみにしてます。

               木下


書き終えると、早速祐子に渡しに行った。祐子の隣に立つと祐子が気配を感じて絵美の方をみた。

「あのこれ」

と言って、さっきのメモを渡した・・・。

祐子がメモを読み終えると満面の笑みで「わかった」と呟いた。あたしも金曜日が楽しみ
になってきた。

何事もなかったように席に戻り、続きの仕事を始めた。

その日も帰り、メイク用品を買おうと近くのショッピングセンターに立ち寄った。

少しでも印象を良くしたい・・・、少しでも素敵に見られたい・・・、昔、付き合った彼氏とのデート前、念入りにウキウキしながらヘアメイクした頃を思い出す。

久しぶりだな・・・、こんな感覚・・・。試供品の口紅を手にとりながら、多少の高揚感を味わっていた。

ピンク系のかわいい自分好みの色を見つけた。手の甲に引いて色を確認してみる。

細かいラメのようなものが、蛍光灯の光に反射してキラキラ輝いていた。自分の気持ちも
その輝きに反応してキラキラ輝いていくのを覚えた。








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