ベストパートナー
金曜日。

あたしは朝から巻きで仕事をしていた。高校卒業後、地元の中小メーカーに事務職で就職した。配属は営業の部署だ。入社した頃は意地悪な長年いるパートのおばさんに気をつかったが、今では仕事ぶりを認めてくれたのか、穏やかなおばさんに変わった。少ない同期の子も結婚出産でみんな辞め、事務では中堅の域に入ってきただろう。

裕子は学年は一つ下だが、歳は一緒だ。3年前に工場の生産管理の部署から異動してきた。仕事の覚えも良く、ミスも少ないし仕事も早い。明るくさっぱりしているので、すぐに部署のみんなに重宝がられた。あたしも祐子に一目置いていた。

あたしが新人の頃は、ミスも多いし、仕事の覚えも悪いし、仕事も遅いので、さんざん、みんなに迷惑かけた気がする。なんとか、今ではミスもあまりなく、スピードもアップし、効率よく仕事をこなせるようになったが、ある意味当たり前にできるようになっただけだ。

今日は締め日じゃないので、何事もなければ残業もない。ただ、不測の事態が発生するかもわからない。夕方近くの本日発送の大量受注や、発送上のトラブルや、クレームの電話の対応等で定時で帰れないことがよくある。何事もない事を祈った。

午後になり、トイレで髪型やメイクの崩れを直していた。今日は朝から気合いをいれてヘアメイクをしてきたので、いつもよりメイクが濃く感じる。でも、確実に女度はアップしている。表情も軽やかで明るい。

・・・やっぱり、人生こうでなくちゃ・・・。鼻歌でも口ずさみたくなるほど気分が上々だった。

















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