フッてくれて有り難う【季節短編】




自転車置き場に着いて学校の壁に体重を任せた。


この固いザラザラした壁にもよくもたれ掛かってた。


自転車置き場の前で、帰らないでずっと友達と喋ってた。


『おい、お前らまだ帰ってないのかよ』


『いいじゃん、女はお喋りが好きなもんさ』


『お前はおばさんか』


ははは、というみんなのあの時の笑い声も今は聞こえてきそうなくらい、今はあの時とちょうど同じ時期だった。


もう一年かぁ。早いなぁ。


好きになったのはもっと前だけどね?
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